Environmental

環境

環境憲章の制定

環境憲章の制定

株式会社KJRマネジメント(以下「当社」といいます。)は、2013年6月に「環境憲章」を制定し、環境面における理念と行動指針を定めています。

環境憲章

当社は、地球が最大のステークホルダーであると認識し、事業活動を通じて持続可能な社会の実現を目指します。

【ネットゼロに向けて】
当社は、地球環境が健全であることは、事業活動の継続に不可欠であると認識し、新技術や新たな仕組みの活用、ステークホルダーとの対話等を通し、緩和と適応の双方より温室効果ガスの削減と気候変動に取り組むとともに、ネットゼロの実現に貢献します。
【サステナビリティ】
当社は、資源の持続可能な利用に努めます。
【生物多様性】
当社は、生態系にもたらす様々な恩恵の重要性を認識し、生物多様性への影響を緩和するとともにその保全に貢献します。
【汚染防止】
当社は、環境負担低減や環境保全によって生じる環境価値の創出・向上に努めます。
【コミュニケーション】
当社は、環境に関する企業情報を適時・適切に開示し、多様なステークホルダーとのコミュニケーション・協働を推進します。
【コンプライアンス】
当社は、環境諸法規を遵守するとともに、国際行動規範に則した行動をとります。

気候変動に関する動向

2015年に採択された気候変動に関する国際的枠組みであるパリ協定では、「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より充分低く保ち、1.5℃に抑える努力」を共有し、GHG排出実質ゼロを長期目標に掲げました。
 2021年に入り、米国主催の気候サミットが開催された他、G7サミットでは最重要テーマとして気候変動が議論される等、気候変動に関するアクションが加速しました。また、8月に公表されたIPCCの最新報告書では、「人間の活動によって温暖化が起きていることには疑いがない」と断定され、パリ協定の目標の実現にはGHG排出量の大幅な削減に猶予がないことが明らかになりました。このような流れの中開催された第26回気候変動枠組条約の締約国会議(COP26)の最終合意では、「1.5℃に抑える努力を追求することを決意する」と明記され、今後政府のみならず産業界においても1.5℃に向けた対策の検討が求められていることが示唆されています。

気候変動を含むESG取組方針

KJRマネジメントは、2013年6月に「環境憲章」及び「サステナビリティ基本方針」を制定しました。「環境憲章」では、気候変動対応としてネットゼロに向け「新技術や新たな仕組みの活用、ステークホルダーとの対話等を通し、緩和と適応の双方より温室効果ガスの削減と気候変動に取り組む」ことを明言しています。併せて、サステナビリティに関する行動原則を示す「サステナビリティ基本方針」において「環境(Environmental)、社会(Social)、企業統治(Governance)の要素を不動産投資に組み込む責任不動産投資(RPI)を実行する」ことを明示し、ファンドの投資・運用プロセスの全期間においてこのPRIの考えを組み入れ実行しています。

気候変動に対する認識

当社は、気候変動が事業活動に大きな影響を与える重要な環境課題であると認識しています。経済活動が活発になることで地球温暖化が進み、大雨、洪水、干ばつなどの異常気象につながっていることは、さまざまな研究報告で明らかになっています。
 「不動産への投資運用を通じて、社会に新たなニーズを創出し、人々の期待を超える価値を創造する」という私たちのミッションを実現するためには、持続可能な社会の実現が必要であり、低炭素社会への移行は、長期的経営に求められる社会的責任であると認識しています。
 当社は、2019年8月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同を表明し、提言に基づいた取組みを推進していきます。

  • 最終報告書において、気候変動に伴うリスクと機会に対し「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4項目についての開示を推奨しています。
  • (注)2024年からIFRS財団の国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が、TCFDから引き継いで、企業の気候関連情報開示の状況把握を行うことになっています。
TCFD

気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への取り組み

TCFD提言に基づく情報開示

ガバナンス

ガバナンス

取締役会・投資法人役員会の監督体制

最高サステナビリティ責任者(CSO)が議長を務めるサステナビリティ委員会で決議・報告された内容については、当社の代表取締役社長が議長を務める取締役会(少なくとも3か月に1回開催)及び各投資法人の役員会(原則として毎月2回開催)に報告され、監視・監督されています。

サステナビリティ委員会

原則四半期に1回開催される委員会では、気候変動を含むサステナビリティに関する重要なリスクと機会について特定するとともに、方針、戦略、体制、サステナビリティ目標を決議し、パフォーマンスのモニタリングを行なうなどサステナビリティ活動の中心となっています。
※詳細につきましては、こちらをご覧ください。

リスクマネジメント

リスクマネジメント

気候変動のリスクを特定し、評価する組織のプロセス

気候変動に関するリスクと機会について、各本部のサステナビリティ担当者を中心に投資法人ごとにポートフォリオへの影響度及び発生可能性を検討し、そのうえで密接に関係するリスクと機会の特定及び影響度を検討しています。特定したリスクと機会、その影響度は、サステナビリティ委員会で報告、議論され、リスクと機会及び影響度が確定されます。

気候変動のリスクを管理するプロセスと組織的な取組み

当社ではサステナビリティ担当者を中心に、部門内あるいは他部門と連携し、実務担当者レベルでサステナビリティに関連する課題及び推進方法等について詳細な議論・検討を行なう場(以下「分科会」)を適宜設けています。分科会を通して、個別課題の検討や情報共有を行なうことで、担当者の課題認識と意識の向上を図るとともに、サステナビリティへの配慮を日々の投資・運用プロセスに融合させています。
 分科会で検討された事項は、各本部からの申し立てにより、サステナビリティ委員会に報告され、サステナビリティ委員会で、評価されたリスクと機会の対応について、進捗状況を確認しています。
 また、各投資法人では物件の環境データを月次で収集し、モニタリングを行なっています。気候変動に対応する指標・目標及び取組みを含む、環境関連事項への取組み及び環境データの収集等については、環境管理システムを構築し、PDCAサイクルを実施することで継続的に取組みの強化・改善に努めています。

全体的なリスクマネジメントへの統合

当社では、主要なリスクに関連する事項について把握、検討し、対応策及び管理方針を策定する場として、シニアマネジメント等が委員を務めるリスク管理委員会を運営しています。Risk Control Matrix(RCM)を活用し、2か月に一度各部門における気候変動を含む業務執行に影響を及ぼすリスクの状況を確認の上、委員会で報告し、評価と管理を行なう体制となっています。

全体的なリスクマネジメントへの統合

戦略

戦略

気候変動のリスクと機会について

当社は、気候変動への対応は重要な社会課題であり、事業活動に大きな影響を与えるものであると考えています。気候変動により生じるリスク及び機会を明確にすることで財務的影響並びに対応策を検討するために、各投資法人のポートフォリオを対象に、International Energy Agency(IEA)レポートやIPCC評価報告書等の4℃及び1.5℃の気候関連シナリオを参照し中長期のシナリオ分析を実施しました。

各投資法人のシナリオ分析の最新情報は、JMF及びIIFのサステナビリティページをご参照ください。

以下では、当社が考えるJ-REITを含む不動産業界における気候変動に関するリスク及び機会に紐づく課題認識について説明しています。

この表は左右にスクロールできます。

TCFDに基づく分類 小分類 期間 課題認識
移行リスク
政策・
法規制
  • 省エネ性能義務化等エネルギー規制の強化
  • 排出取引制度拡大や炭素税導入によるコスト発生
  • 規制対応コストの増加
中期
長期
  • エネルギー効率の向上
  • 再生可能エネルギーの導入
  • 将来の規制対応コスト増大リスクの定量化
  • 環境マネジメントシステム(EMS)の更新
技術
  • 低炭素/省エネ技術の普及による更新費用の増加
中期
長期
  • 先進的技術の採用検討
市場
  • 環境性能の高い建物の価値向上
  • 資産価値の低下
中期
長期
  • 建物の環境性能の向上
  • 環境認証の取得検討
評判
  • 気候変動への取組みが遅れることによる資金調達コストの増加
中期
長期
  • 投資家等ステークホルダーとのエンゲージメント強化
  • 目標達成状況のモニタリング
物理的リスク
急性
  • 台風・洪水などの増加
中期
長期
  • 建物のレジリエンス
  • 将来の気候災害リスクの定量化
  • 保険料の増加
慢性
  • 気温上昇や海面上昇などの気候変化
長期
  • 物件選定時のDDプロセスでの物理的リスクの評価
  • 海面上昇による浸水リスクの評価
機会
 
  • 法規制対応による物件の競争力向上
  • ZEB化、省エネ化工事による水道光熱費の削減
中期
長期
  • 環境マネジメントシステム(EMS)の強化によるエネルギー効率の向上
  • ZEB化済物件の取得検討

気候変動リスクへの対応

物理リスクの影響を軽減するために、防水板やポータブル型蓄電池の設置等、建物のレジリエンス対応を進めるとともに、再生可能エネルギーの導入等により気候変動への対応を推進しています。

指標と目標

指標と目標

日本都市ファンド投資法人(JMF)

2030年までにScope1+2 の総排出量を42%削減(2020年対比)
2050年までにバリューチェーン全体のGHG総排出量のネットゼロを目指す

産業ファンド投資法人(IIF)

2030年までにScope1+2の総排出量を42%削減(2021年対比)
2050年までにバリューチェーン全体のGHG総排出量のネットゼロを目指す

  • SBTi認定取得済の目標

KJRマネジメント

2050年までにカーボンニュートラルを目指す
2030年までにCO2排出量削減を目指す

2015年からの実績及び進捗については、JMFまたはIIFの環境パフォーマンスページをご参照ください。その他の指数や目標については、 KJRマネジメントJMFまたはIIFのサステナビリティページ「マテリアリティとKPI」をご参照ください